ドラマ「真犯人フラグ」から学ぶ家の基礎 とちょっと考察

皆様こんにちは。新築部工務の品原です。

最近一気に気温が下がって秋らしくなってきましたね。寒暖差が激しいので体調を崩さないように温かいものを食べて乗り切りましょう。

さて、本題ですが、最近妻とドラマ「真犯人フラグ」をみています。原案 秋元康×『あなたの番です』スタッフによるサスペンスですね。

西島秀俊さん主演で、幸せな家庭におきた突然妻と子供達が行方不明になり、まだ2話でありながら次から次へと起こる怒涛の展開にドキドキしながら見ています

さて、そんな真犯人フラグですが、1話冒頭で西島秀俊さん演じる相良凌介と奥様とお子様…『相良様御一家』は購入した造成地で家が建った後の幸せなビジョンに思いを馳せ….

しかしながら2話で大変なことになりましたね!

途中はすっ飛ばして…工務店の方に夜な夜な呼ばれて基礎建築中の現場に行くと、なんと作っている基礎の中に片足のローファーが飛び出ている!

しかも行方不明になってる娘のものにそっくり!まさか遺体が…?

ドキドキの展開に手に汗握りると同時に、

「ちょっとまっておかしい」と突っ込みを入れて妻に白い目を向けられました(汗

たぶんご覧いただいた建築関係者の方、特に基礎屋さんはエエエエエ…ってなったのではないでしょうか。

ということで

ドラマの矛盾点に突っ込みを入れるという無粋な話と共に基礎ができるまでと基礎の作りのお話をしたいと思います。

基礎は着工~完成までの期間は一般的には順調にいって2週間~3週間程度と言われています。とはいえ工務店さんにもよると思いますし、天気にも左右されたり、他の工事の絡みもありますので一概には言えません。

ざっくり工程のお話をすると

①丁張り、掘り方、砕石入れ
②捨てコン打ち
③鉄筋組
④ベース生コン打設
⑤~養生期間~
⑥立ち上げ型枠組み&立ち上げ生コン打設
⑦レベラー
⑧養生期間~
⑨立ち上げ型枠脱枠・増し打ち

他にも水道の給水排水の配管等もありますが、基礎のみでであればこんな感じかと。

まず着工がいつか?

1話冒頭で建設地で写真を撮った時、背景にブルーシートと砕石入れた基礎が見えました。
ということは①の所でしょうかね。

と考えると写真印刷してすぐ相良家に渡したとしても

10/13頃が写真撮影と仮定して着工が10/10~12頃でしょうか

写真撮影から何日か経って

失踪日の10/15~ぷろびんチャンネル更新の10/28その夜に工務店からの呼び出しが…現場に着いた時基礎にローファーが埋まってた…

この時映像ではは既に型枠もすでになく基礎は完成してました。

と考えると⑨になりますね。

着工10/10~基礎完成10/28で約18日で完成と理想的な工期ではないでしょうか!

ですが、いろいろとおかしい事があるんですよ。

工務店の林さんが言ってました。

1、コンクリートを打ったばかり
2、コンクリート打ったばかりでゆるゆるなので職人さんが帰った後に沈めることが可能

というセリフと

3,ローファーが埋まっていた場所が恐らくLDK

普通に考えると話に上がったコンクリートって工程の⑨で型枠を外した後に打つコンクリートかと思います。それって恐らく玄関の中などに打つ増し打ち用のコンクリートと思われます。ただ、この時もコンクリートが流れ出ないように肩を入れますが映像には型枠がなかったような…型枠なしで打ったのかなぁ…いやきっと型枠のない基礎に囲われてる部分だけにに打ったんだと考えましょう。

まず1と2ですが

確かにコンクリートは打設直後はけっこうゆるゆるです。しかし10月初旬の気温だと関東でも昼で25度ぐらいまで上がるんじゃないでしょうか。
そうなるとコンクリート打った数時間後には固まり始めてると思うんです。

つまり

1時間~ぐらいの超大急ぎでコンクリートを流し込んで、片付けもそこそこに職人さんは現場を飛び出した。その直後にローファー(もしくはローファーを履いた遺体?)を誰かが沈めたということになるかと思います。

さらにコンクリートには骨材の砂と砂利が6割程度入っておりますので、靴だけならがんばればなんとかいけそうですが、もし人ぐらい体積のあるものをうめようとすると、相当難しそうです。埋めた後の仕上げも綺麗でしたしよっぽどゆるゆるのコンクリートだったのかなぁ…

つまはり以下のように

・コンクリートを業者が打つ→すぐ現場を飛び出る
・固まりかけのコンクリートを一生懸命掘り返す。
・苦労して人を埋める
・埋めて戻して固まりかけのコンクリートを戻し、あふれた分のコンクリートを廃棄。
・表面を平らに慣らす。
というすさまじい離れ業をしたということになるのでは…

もし打設直後にどうしても後から人を沈めようとしたら骨材として砂利を使わない砂のみで水を大量に入れてシャバシャバのモルタルを使えばあるいはいけるのかな…?

そもそもこの家の基礎大丈夫かな….現場監督としてはひじょうーーーーーに不安です

そういえば発見時にはコンクリート固まってたっぽいんですが、まさか朝打って昼に人埋め作業したとか….イヤイヤイヤ

 

いやまぁそもそもがですね

基礎に人を埋めるってほぼ不可能なんですよ。

といいますのも基礎の断面図は、シュウハウスの基礎を参考にしますとざっくり以下の図のようになります。

よっぽど特殊でもない限りは以下の図のような形になるのではないかと思います。

 

 

LDK部分なんかはこんな感じじゃないかな。

3,ローファーが埋まっていた場所が恐らくLDK

とすると上の図のようになってるはずなのでとてもじゃないですが5cm程度の厚みの所に人を埋めるのは無理ではないかと。ここにローファーのみが飛び出たとすると

 

 

こうなるわけですね。これならまぁなんとかできそうかな

もしじゃあここにどうにか遺体をうめようとすると

 

こんな感じになるわけです。

普通に考えて無理ですね!鉄筋切って砕石ぐらいまで掘れば…ワンチャンあるかも!

じゃあ、無理なく埋めるのどうするの?

 

このように

上に書いたように増し打ちのコンクリート…という名のシャバシャバモルタルを30cm程度入れればいける気がします。

なぜこのような施工なのかはわかりません。弱いのでひび割れまくる可能性が高いかと。もしかしたらシュウハウスがする増し打ちのように玄関の中だった可能性もあります。

 

あれ、そうなると次週3話で人の死体が出たとしたら….無理なく人を埋めれるのって

業者さん以外無理なんじゃ….

まさかね?

きっと演出上の矛盾ですよね!

 

と、ドラマを参考に現場監督視線でざっくり基礎ができる期間と構造を書かせていただきました。

楽しみながら読んでいただけたら幸いです。

無粋な内容だったと思いますが、このドラマ好きなので今後も楽しんで視聴していきたいと思います。

10/20著

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